2018年01月19日

本の墓場と図書館の迷路に魅せられて

年が明けて、一月ももう下旬になって、なんか来週は大寒波(なんかー、予報みたらー、最低気温がすごい数値なんだけどー、どーどーどー)で雪が降るみたい。
でも、今日は家の中、暖房いらないぐらいにあったかい。

晩秋のころから、ヒマさえあれば本を読み、モノを書き、の、なんかいろいろ文章まみれな「文活」に勤しんでた。
ブクログに登録するのもめんどくさくなったので、読んだものの中から覚えてるのだけ、テキトーにブログに読書記録みたいなこと書いとく。



天使のゲーム〈上〉 (集英社文庫) -
天使のゲーム〈上〉 (集英社文庫) -

上下巻、完読。
人生の中で「いちばん」って言いたくなるぐらいの鳥肌モノの小説だった。
内容もすごいよかったけど、とにかく文章がすごい。
わたしはなんでこんなにも語彙がないんでせう、って感想書くたびに、じぶんのあたまに呆れちゃうんだけど。
アマゾンのレビューでも高評価だよねー。

美しい比喩。
深みのある文学的表現。
ひたひたとじぶんの中に満ちてくる物語の世界に浸りきるトリップ感。

ざっくりしたあらすじは。

舞台は1917年のバルセロナ。
母親に捨てられ父親に死なれて天涯孤独になった17歳のダビッドは、新聞社で雑用係をしてたら、たまたま掲載予定の原稿が落ちて、急遽、シメキリまで数時間しかないのに差し替えの小説原稿を書くことになる。
それが評価されて、バルセロナの大富豪のビダルの後押しで作家の道を歩みはじめる。
ペンネームで書いたシリーズものの小説が大ヒットして、以前から憧れていた『塔の館』に移り棲み、そこの書斎で執筆をつづける。
でも、すごい頭痛に襲われるようになって受診したら、悪性の脳腫瘍、って言われて余命宣告。
ビダルの秘書クリスティーナに恋をしても、いつ死ぬかわからない身となって、ただ片想いしてるだけ。
そんなダビッドは、謎の編集人アンドレアス・コレッリからある執筆の依頼をされる。
その報酬は高額のギャラと余命が限られていたダビッドの命の救済。
生きるためにダビッドは依頼を引き受けるけど、コレッリの正体を探っていくうちに、その執筆依頼は引き受けちゃいけないものだったとわかってきて、コレッリと対決していく。。。

ネタバレになるかもしれないけど、べつにこれは途中でだれでもすぐわかることだから書いちゃうと、つまりは、主人公ダビッドは「悪魔」と悪魔の経典を執筆する契約をしちゃうの。
コレッリが悪魔だとわかってきてからは、ダビッドはもちろん、悪魔のためにそんな執筆をするつもりはなくなって、ダビッドのまえにコレッリと契約した作家の存在を知るんだけど、その人たちも契約を反故にしようとして焼死してて。
相手は「悪魔」だからねー。
生身のニンゲンがぜったい敵うわけないじゃんー。

って、ハラハラしながら読んでたけど、おなじく相手を悪魔と知らずにある契約をしてしまう男が悪魔の罠に堕ちちゃう『エンゼルハート』みたいな展開になるのかなー、ともおもってた。

だけど、こっちの悪魔は、エンゼルハートの悪魔より残酷。
ものすごい切なくて美しい悪魔の仕打ち。

美しい文章で美しい物語を読む。
こんな極上の読書体験ができる本。

出てくる人たちがいろいろステキなんだよねー。
主人公のダビッドも魅力的なキャラクターだけど、ダビッドに「本の世界」を教えたセンペーレ書店のセンペーレおじさん。
ダビッドと途中で絶縁しちゃうんだけど、ダビッドをずっと応援してたビダルおじさん。(この人、わたし、大好き)
ダビッドが恋をしたクリスティーナ。
ダビッドに恋をしてたイサベッラ。
それに、悪魔のコレッリ。

イサベッラはさいしょ、わたしはぜんぜん好きになれないキャラで、この物語で唯一「邪魔」っておもう存在だった。
でも、ずっと読み進めていくと、じぶんの恋をとうとう成就させようとしなかったイサベッラのつよさと切なさに胸がキュンとしちゃって、ダビッドとイサベッラのたーくさんの会話がこの物語の魅力の基盤になってるのに気づく。

それと、ダビッドと悪魔のコレッリの哲学的な会話もこの物語のおおきな魅力のひとつ。

それから。
それから。

この作者、カルロス・ルイス・サフォンは、もしかしてハルキスト?、っておもっちゃったわたし。

「光」の表現がそれぞれ独特なんだけど、その独特さがすごい似てて。

それと。

図書館奇譚 -
図書館奇譚 -

これ読んだ人は、『天使のゲーム』の「忘れられた本の墓場」のシーンで、「あれれー?カルロスさんってハルキストー?」っておもわないかなー。(わたしだけ?)

わたしは『天使のゲーム』を読んだあと、ほんとにたまたま偶然に春樹おぢさんの『図書館奇譚』を読んだ。
そしたら、春樹おぢさんの図書館の中に入りこんでくと、なんか『天使のゲーム』の「忘れられた本の墓場」(っていう本だらけのフシギで幻想的な館)のイメージと重なって。
調べたら、出版の時期は図書館奇譚のほうが先だったから、カルロスさんもこれを読んだことがあって、それであの「本の墓場」をイメージしたんじゃないのかなー、って勝手におもったの。

『天使のゲーム』では、この「忘れられた本の墓場」のシーンがものすごい好き。

ここでダビッドが持ち帰ってきた一冊の本を読みといていくシーンは、わたしのあたまには映画の『リング』のあの呪いのビデオで文字がゆらゆらしてる映像のこわさが蘇ってきちゃってゾクゾクした。

クリスティーナの死のシーンは、映画『危険な遊び』の氷が割れて人が落ちちゃったシーンと重なってこわかった。

この小説を読んでると、なんでもかんでもあたまの中では「映像」になっちゃうわたしには、まるで映画を見てるみたいな感覚。
それぐらい、どのシーンも脳内で鮮明な映像になって、音や匂いもわたしは感じ取ってるリアルな錯覚に襲われてた。

映画化しやすい小説だとおもうから、映画化されないかなー。(もうなってる?)

読み終えた瞬間の、涙が出てきちゃうような鳥肌的な読後感を、なんかもっとちゃんとした日本語で書き記したいー、っておもったのに、わたしの文才ではムリだった。
(^_^)

ちゃんと書ける人が、ものすごいいい書評を書いてるブログをみつけたので。
ちゃんとした日本語の質の高い感想を読みたい人は、こっち読んでね。

カルロス・ルイス・サフォン 『天使のゲーム』 20世紀初頭、呪われたバルセロナを語る第一級のエンタメ
http://yottyann.at.webry.info/201208/article_4.html




これだけで長くなっちゃったので、ほかの本は分けて書くー。

またのー。


posted by ぴの at 21:43| オーランド ☀| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする